Épisodes

  • ピーター・パン
    Dec 27 2023
    【小学館の名作文芸朗読】 物理学者の中谷宇吉郎が、ディズニー映画である『ピーター・パン』について考察している。アメリカの初等、中等教育で重要視される4つの基本線(嘘をつかない、約束を守る、開拓者精神、弱者への配慮)が、『ピーター・パン』にはしっかりと表現されている。このように中谷は主張し、アメリカ人の高い自立心は子どもの頃から『ピーター・パン』のような芸術作品を通じて育まれているのではないか、と最後は結論付ける。
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    16 min
  • 猫先生の弁
    Dec 20 2023
    【小学館の名作文芸朗読】 美術学校の教授で犬好き、あだ名は「犬先生」。猫好きの「私」のあだ名は「猫先生」だ。戦前、2人は「梅ヶ枝」という小料理屋で酔った勢いで犬と猫のどちらが優れているか熱弁をふるっていた。しかし戦禍に見舞われ小料理屋もなくなり、その後猫を飼い始めたという犬先生の消息も分からなくなってしまう。そんな折、「私」は猫にまつわる不思議な体験をするのだった……。
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    15 min
  • 文士の生活
    Dec 13 2023
    【小学館の名作文芸朗読】 『吾輩は猫である』『坊つちゃん』『三四郎』などの代表作で知られ、明治期から大正期に活躍した文豪の随筆。私が巨万の富を蓄えたとか、種々な噂が世間にあるようだが、みな嘘だ。この家だって借家で月々家賃を払っている。美服は好きだが、妻のお仕着せを黙って着る。支那料理、西洋料理は結構だが、日本料理は食べたいとは思わぬ。娯楽は、囲碁も将棋もやらぬ。明窓浄机、これが私の趣味であろう。
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    13 min
  • 十年後のラジオ界
    Dec 6 2023
    【小学館の名作文芸朗読】 これからの世の中は、ラジオがすべての生活手段に必需的なものになり、世界はラジオ漬けになると、AはBに説く。この世とあの世はラジオで連絡されるから、自殺したって新聞社だけでなく、親や友人、恋人が原因を訊ねてくる。さらに、無線遠視(テレヴィジョン)つまり「眼で見るラジオ」というものが完成し実用化されるのだ。『蝿男』『火星兵団』などで知られる作家が会話形式で綴る近未来物語。
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    6 min
  • 最初の印象
    Nov 29 2023
    【小学館の名作文芸朗読】 明治期から昭和期に活動した女流探偵小説家が江戸川乱歩について語る随筆。もう二十年近くも前、池袋のお宅のお座敷で待つ間、私の心は好奇心と不安が交錯していた。ところが、ゴシップや想像を裏切り、先生が社交的で朗らかなのにびっくりした。いい加減の噂はするものではないし、噂を信ずるものではないと思った。そんな先生を心から尊敬し、本当に親切な方だと思ったのは終戦後のことでした。
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    5 min
  • 気の毒な奥様
    Nov 22 2023
    【小学館の名作文芸朗読】 ある娯楽街の映画殿堂では夜の部が始まり、観客席は満員。正面入り口で案内係の少女達がおしゃべりに夢中になっていると、突然、女が駆け込んできた。鬢はほつれ、眼は血走り、全身はふるえている。訳を訊ねると、子供が急病で苦しんでいて、恋人と一緒に来ている夫を連れ帰りたいから呼び出してくれと言う。しかし、女は名誉のために名前は明かさない。すると、ある少女が一計をめぐらせる。
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    3 min
  • 日光小品
    Nov 15 2023
    【小学館の名作文芸朗読】 芥川龍之介が日光に滞在中の出来事を日記風に書き留めた紀行エッセー。「大谷川」では、「谷水のつきてこがるる紅葉かな」という蕪村の句を思い出す。「戦場ヶ原」では、荒涼とした思いを抱きながらツルゲーネフの森の旅を考える。「温かき心」では、「私は世なれた人のやさしさを慕う」と記している。その他に、「巫女」、「高原」、「工場」、「寺と墓」などを収録。
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    17 min
  • 山のコドモ
    Nov 8 2023
    【小学館の名作文芸朗読】 ヤマキチは山奥の木樵の子。小さい時から山の獣や鳥たちと仲良く遊んで育った。ある日、友達の鷹の翼に乗って空を飛んだ後、高い木の上で休んでいると、遠くの方に緑の水が限りなく広く続いた世界が見えた。不思議に思ったヤマキチが鷹に尋ねると、あれは海という水の世界で、きれいな魚がたくさん泳いでいると教えてくれた。ヤマキチは鷹に頼んで海に連れて行ってもらい、大きな岩で降りると・・・。
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    4 min